日々の工夫

8月17日日曜夜の稽古

 

お仕事の関係でなかなか稽古に来ることが出来ない「るー氏」が来られました。

 

久しぶりなので、体がガチガチでしたね。形をまねるのではなく、意識を真似てほしいのですが、それは無理な相談です。ですので、形を作るのは仕方がないとしても、形を作るために使った力を徐々に抜いていくことが大切です。何度か求めるレベルの力の抜き具合を確かめてもらったので、その感覚を手掛かりに自分の内面をよく注意して見てください。結果、力で形を作るのではなく、自然にそうなる、というようにもっていきたい。

 

私も勤め人ですので、仕事を優先します。ですから刀を持たないときの稽古が大切になります。立っているとき、歩いているとき、モノを書いているとき、PCのキーボードを叩いているとき、などを稽古にしています。できるだけ力を使わずに、ゆっくりやってみる。

会議などでのメモや急いでいるときなどの移動の際は、仕方がありませんが、そうでなければ、「ゆっくりゆっくり、力を入れず」と自分に言い聞かせています。

お蔭様で、最近はちょっとゆとりを感じられるようになってきました。

 

最近読んだ本に、自律神経を整えることが健康の第一条件とありました。自律神経には「交感神経」と「副交感神経」の二つがあり、交感神経がアクセル(活動)で、副交感神経がブレーキ(安静)の役割をするそうです。人間はそのバランスが大事だそうですが、副交感神経を特に意識する必要があるようです。つまり安静を意識する。そのために、「ゆっくり」がキーワードになっていて、その具体例に「ゆっくり丁寧に字を書くこと」が挙げられていました。ゆっくり呼吸をしたり、ゆっくり字を書いたりすることで、副交感神経が高まり、内臓の動きが活発化し、血液がよく循環するようになり、結果健康によいという理屈らしい。著者はお医者さんですが、急いでいるときこそ、ゆっくりやることが大切と書いていました。

なんだかこれって、居合の稽古の心得のまんまのようですね。

 

別に健康によいから取り組んでいるわけではありませんが、自分の体の動きを見つめることで、心を整える方法を武術の稽古で学び、それを実生活でも活用して、さらにそこからゆとりと健康が手に入り、それらのすべてを武術に還元できれば、武術を学ぶ価値も高まるというものです。

大げさかもしれませんが、武術の稽古で生き方を学んでいると思っています。

 

                            平成26年8月17日