抜刀術の修行

10月26日日曜 夜の稽古

 

赤がねさんは、ほとんど休まずに稽古に来られます。

体が小さく非力な女性ですが、一般に使われているよりも長めの居合刀で稽古に励んでいます。鏡の前で黙々と教えられた業を抜きながら、少しずつ習得しています。

一体いつから稽古に来られるようになったんだっけ?と記録を確認すると今年の5月10日が体験第一日目でした。およそ5か月で6本目の流刀にたどり着きました。

長くかかったような、短いような。

間合いの感覚も養ってもらいたかったので、大石神影流試合口と英信流太刀打の稽古もしていますので、たった5本というわけではありませんが、それでも主に取り組んでいるのは大森流の業です。

まだまだ力を使ってしまう場面がありますが、倦まず弛まず稽古に取り組んでいるのは立派なことだと思います。

 

抜刀術では自分との対話が大切です。というよりも、一人で稽古できる抜刀術は自分との対話に集中できると言ったほうがいいのかもしれません。自分との対話っていうのもムズカシイことなのですが。

姿勢に無理はないか、まだ力を抜けるのではないか、無駄な動きがなかったか。

そんなことを自分に問うて、少しずつ、本当に少しずつ心を用いて変えていく作業が抜刀術の稽古です。じっくり取り組んでもらいたいと思います。

 

『剣道日本12月号』で師匠のこれまでの武道史研究を取り上げた記事が載っています。さっそく買いに行きました。以前はよく購入していた雑誌です。

おお!6ページもある!!…いやあらかじめ原稿を見せて頂いていたので知ってたのですが、やっぱり雑誌の形で見ると感動するじゃないですか。

中身は雑誌を購入して確認してもらうことにして。

特集が修行ということで、剣道の修行にまつわる記事が多数ありました。

剣道と剣術は、師匠の記事にあったように明治以後分かれてしまいましたが、剣道を修行する人たちも、真摯に取り組まれていることがよく分かりました。…いや私もかつては真面目に取り組んでいた…つもりなんですけどね。かかり稽古は嫌いでしたけど。

実際に打突しあうからこそ分かる心身の働きがあると思います。

 

抜刀術の稽古で自己との対話を通じて心身を統一していき、対人の形稽古や、大石神影流の防具稽古で心身のさらなる開発に取り組んでいきたいですね。

 

                       平成26年10月26日