特別「講習」会の二日目は、大石神影流の稽古です。
試合口、陽之表、陽之裏、三学円之太刀、二刀、小太刀、鞘内、棒合、槍合。
試合口は、一番最初に取り組む稽古です。北大阪支部でも始めています。
でも、やはり本部で稽古をすると違います。隙がないというのがその印象です。
すごく微妙な動きを静かに行います。「張る」のも呼吸に乗せて最小限度の動きで実現します。「ああ、これだった」と得心しました。
間合いの取り方、請けの際の鎬の利用の仕方、二刀や槍合での刀と鍔の使い方。いろいろ学びました。
その中で、兄弟子に肩の落とし方を質問しました。
非常に上体が楽に見えるのです。上段にかぶっても肩が動きません。斬撃してもそのまんま。割とスピーディーに動いているように見えるのに、上体、特に肩は動揺しない。きれいです。
ポイントは背中の力を抜くことらしい。背中の力が抜けてくるを肚から背中を通って下腕を伝って刀まで通るのだそうです。何が?
と突っ込みたくなりましたが、分からない人間には説明のしようがなく、説明して分かるようなら、その人はもう出来ているということなのでしょうね。
足裏を柔らかく。地面の下の方にまで体重を感じるように、そけい部を弛めて、力を使わない。最初は力を使っていても、余分なところを削いでいって、最後は線のようになるのだそうです。師匠にも言われていることですね。
最後に私に関して言えば、お尻が固いらしいのです。お尻が固い…。何となくイメージが湧くような…。
工夫します。
この日の稽古の圧巻は二つ。
一つは長刀。「なぎなた」です。これが楽しい。流れるように攻撃に次ぐ攻撃、攻防一体となった業です。うーん、うまく説明できません。北大阪でもさっそく稽古しましょう。
二つ目は、防具稽古。私は二刀を執りました。つい剣道の打ちになってしまった時もありましたが、そんなことはどうでもよくて。
師匠が槍で対戦して下さいました。
やはり防具をつけていても、本当に怖い。入り身をしようとするのですが、間合いになど入れません。二刀でも御しきれない。小刀で払って大刀で斬ると頭ではイメージを作るのですが、体が逃げてしまって、中心軸を保った体勢を維持できない。
試しに小刀で対しました。やはりできません。ますます間合いに入れない。
宮本武蔵は、宝蔵院流鎗術と戦ったとき、小太刀で勝利したという説があります。
かねがね「ホントかね?」と疑っていましたが、やはり無理だろうというのが結論ですね。おそらく武蔵は大石神影流のように刀を使ったのだと思いました。
「そりゃ、お前の技量が足りないからで、武蔵と比べるなどあきれる」と言われそうですけど。
ともあれ、濃密な一日でした。
ホテルに帰って、必死にノートを取って、そのあとは、なぎなたの稽古です。
でも六尺棒をホテルで使うと天井に当たってしまうんです。
階上の方、ごめんなさい。
平成26年7月22日