10月11日土曜午後の稽古

 

妻が電動自転車を買いました。馬鹿にしていましたが、試しに乗せてもらうと素晴らしく楽に坂道を上ります。この自転車に慣れてしまうと、自分の自転車に乗れなくなります。私の住んでいるところは坂が多く、坂自体は気に入っているのですが、自転車で走るとなると結構キツイのです。最近、バッテリを積んだ自転車をよく見かけるようになりましたが、ナルホドです。我が家には車がありません。バイクもないのですが、この自転車があれば行動範囲は格段に広がりますね。

で、さっそく稽古に行くのに電動自転車を借りました。行きはずっと下り坂なので威力の確認は帰りに取っておくことにして。

 

抜刀術の稽古から始めました。心を静めるのにうってつけです。

抜き付けがすっかり変わってしまいました。以前はどのように抜いていたのだろうと思うくらいに。まだまだいけないところもあるとは思いますが、楽に気持ちよく抜けます。これは大きな変化ですし、楽に動けるというのは大切なキーワードのように思えます。

貫汪館で学ぶようになって、体の遣い方が変わってきましたが、すべては「楽に動ける」という言葉に集約できると思っています。当たり前です。貫汪館で言われるのは「無理無駄を排す」こと。無理無駄を排せば、楽になるしかないですね。

これまで、自分では力を用いていないつもりでも、わずかに指先や手首に力が入っていて抜刀の流れを阻害していました。言われても気づかないほどの力です。

初めのうちは、師匠に力の入っているところを触れてもらっても、よく分かりませんでした。

そのうち、指摘をされると分かるようになりました。

今では、(場所によっては)指摘をされて力を抜くことができるようになりました。

師範や兄弟子のレベルになると、姿勢そのものが楽そうで、特に柔術の相手をしてもらうと力をまったく感じないのに、投げられたり崩されたりしてしまいます。

 

自転車にしろ、体の遣い方にしろ、「楽」を体験するともう以前には戻れなくなります。体の遣い方に熟達すれば、あたかも電動自転車に乗り換えたかのような、そんな感覚に至るのかもしれません。

 

太刀打、大石神影流の稽古をして気が付くと3時間半が過ぎていました。

帰りの上り坂は、本当に楽でした。

 

                      平成26年10月11日