居合の稽古が楽しくて仕方ありません。
十歳から剣道を学びました。本当は柔道を学びたいと母にねだりましたが、なぜか連れていかれたのが剣道教室。
おじいさん先生について、剣道を学びました。毎週火曜木曜の稽古が待ち遠しかったのを覚えています。それなりにまじめに取り組んで、中学の時に初段をいただきました。
以来、ほそぼそと続け、会社に入っても稽古をしていました。
居合の稽古を始めたのは、二十歳から。
当時は大学の剣道部に在籍していましたが、腰を痛めた関係で稽古ができず、以前から興味があった居合を始めました。師匠は当時五十過ぎだったと思いますが、居合道連盟の人でした。無双直伝英信流。美しい演武をする人で、七段の全国大会でも優勝されていました。
師匠の自宅に自前で建てられた道場がありました。一人が稽古するだけでのスペースしかなく、私をはじめ数人いた弟子は、空いた時間に師匠のご自宅に伺ってマンツーマンの稽古をします。大学生だった私はほとんど毎日稽古をつけていただきました。
週に一度は近くの武道館に出向いて、全員で稽古をする機会がありました。
兄弟子の稽古を見ることができる機会でした。約五年ほど、そのような稽古を続けました。
勤め先が大阪だった関係で、師匠とは音信がとれなくなり、今は師匠のご自宅も長野五輪の工事の関係でなくなっています。
今の師匠についたのは、2010年の夏からになります。当時はアメリカ駐在中で、一時帰国を利用して初めて稽古をつけていただいたことを覚えています。早いもので、もう十年もお世話になっていますが、年に数回の稽古になるうえ、途中でフランス駐在もあったりして、指導をいただいた時間の総計としては悲しくなるくらいです。ですが、多くのことを学びました。
刀を用いて、自分の体の遣い方、心の遣い方を学ぶ。
楽に自由に動けるようにするにはどうしたらよいか。それも普段の生活の中でも活きるように工夫する。楽しいですね。
居合は独習用の型があり、様々な想定の上で心身を練り上げていきます。相手を想定して、間合や拍子を考えます。呼吸や姿勢、力の入れ具合。気にしなければならないことが多いのですが、それらに捕らわれてしまうと動けなくなる。
かれこれ、三十年ちかく居合に取り組んでいますが、未だに初心者のように感じています。
学ぶことが多いというのは、楽しいことです。