学び方

昨日からの雨が続いています。雨は比較的好きなのですが、移動手段が徒歩か自転車しかないので、雨となると歩いて道場まで行かねばならず、大変なのです。いや、それも少し余裕をもって家を出れば問題ないのですが、つい愚図愚図していると急いでいくことになります。道場についたときには、汗ばむほど。

 

今日はお隣で太極拳の団体が専用利用されていました。20人近くの人が稽古していたのですが、その指導の厳しいこと。女性の先生ですが、どなりつけるような発言に、稽古の途中で何度か吃驚しました。それも大阪弁ですので、なかなか迫力があります。「何やってんねん!」「何を聞いてるんや!」「後足はそこちゃうって言うてるやろ!」などなど。

うーん。

こちらが叱られているようで、あんな場にいたら萎縮してしまいますね、私なら。

 

私たちが学んでいる貫汪館の武術は、基本的には見て取る以外に学ぶ方法はありません。

師匠の動きを見せていただき、基本的には真似をするだけ。でも絶対に師匠のようには出来ていなくて、しかもどこが悪いのか分からない。そこを師匠に言葉や体に触れてもらって教えてもらったり、再度師匠の動きを確認したり。

その時の注意点。

一つ目は、本当は全体が悪いのだということ。一か所だけ悪いなんてことはなくて、その箇所を修正しようとしても、体はつながっているので、他も修正されてしまう。これが本当に厄介です。

二つ目は、私の状況に合う助言であって、それが万人に合う助言ではないということ。

私の骨格、体の遣い方の癖からの助言なので当たり前なのですが。

 

これがまた他の人に伝えるときにも、難しくなってしまう原因です。

気を付けたほうがよい動きを指摘すると、他の動きも変わってしまう。

また、自分の体内の感覚を伝えて何とか理解してもらおうとするのですが、この言葉はやはり自分の体内の感覚なので、他の人には伝わらない。

なので、あまり言葉は使いたくないのです。

言葉ではなく、自分の動きを見せて、そこから学んでもらおうと考えていますが、自分のレベルではまだうまく出来ないことがあるので、つい言葉で伝えてしまうのですね。

それがうまく伝えられないと、今日の太極拳の先生のように怒鳴ってしまうことになる…かもしれませんね。

 

やっぱり模範を示すのですが、私そのものを見るのではなく、私のやろうとしていることを見てほしいと思うのです。

そのためには、手足や刀の動きではなく、胴体の動きを見てほしい。呼吸の働きをみてほしい。まだまだ修行途中の身ではありますが、何とかお手本になるように心掛ける次第。

 

帰りはのんびり歩いて帰りました。雨の音を聞きながら、ゆっくり歩くのは気持よい。

汗ばむこともなく、よい土曜の午後でした。