重力をつかう

今日の大阪は曇り空。午後から雨が降りましたが、道場への往復時には何とか持ちました。

歩いて通うと汗ばむようになりました。

 

大森流、英信流表は浮雲まで。太刀打も稽古。

 

陽之表に小太刀、履形の稽古をして今日はおしまいでした。

 

今日心掛けたのは、とにかく楽にチカラを抜いて稽古をすること。

前進や後退でも、地面を蹴るのではなく、自分の重心を前に掛けたり、後ろに倒したりすることで実現します。

たとえば、太陽剣では、後ろにさがって相手の剣を躱しますが、その際は足で地面を蹴って後ろへ飛びさがるのではありません。股関節をぶらぶらにしておいて、重心を後ろへ移すと勝手に足が後方へ振り込まれて、結果として後方へさがる動きになります。

これは、居合の虎一足や稲妻と同じ体の遣い方ですね。後方へお尻を移動させて、そのお尻に連動して足が後方へ動きます。蹴っているのではありません。

 

チカラを使わないということは、重力を利用するということです。

師匠の斬り込みの凄さは筋力で実現したものではなく、重力を利用しているのです。

余計な筋力を斬撃に加えると、むしろブレーキの役目になってしまいます。

重力は普段感じません。それを感じるためには、チカラを抜かないといけません。

偉そうに言っていますが、先日師匠から二刀の遣い方を教えて頂き、得心がいったことを伝えているだけで、私自身もまだまだ工夫が必要です。

 

普段の生活から工夫しなければと言ってくれていましたが、まさにその通りだと思います。

稽古の中でも言いましたが、私もパソコンに向かうとつい肩にチカラが入り、キーボードをたたいています。何とかこれをなくそうと意識をしていますし、歩くときにも出来るだけ重心移動(これも重力の利用ですね)を意識して、両足の股関節を交互にぶらぶらにするようにして、足が勝手に振り出されるように歩く工夫をしています。

師匠のご指導で一段レベルアップできたように思っています。

 

武道は普段の生活に活かせないと意味がありません。

宮本武蔵は普段の足遣いが兵法の足遣いであると言っていますが、足遣いに限ったことではなく、相手と息をあわせたり、空間全体に気をめぐらせたりすることは、日常生活でも役に立つ工夫だと思います。

それに日常生活でつねに肩にチカラが入っていたら、すぐに疲れてしまいますね。

楽に稽古をするようにしていきましょう。